・2020年2月2日に生活協同組合エスコープ大阪さん主催(フェニーチェ堺):選択する権利をまもるためにできることを考える「GM/ゲノム編集学習会」に参加させて頂きました。今回は、遺伝子組み換えとゲノム編集との違いや人間・生物・全ての命あるものにどのような影響を与える可能性があるのか等理解できればと思っていました。
<内容>
・挨拶:司会進行:泉容子さん(環境委員会)
・基調講演:石井哲也さん(北海道大学 安全衛生本部 教授):ゲノム編集技術の問題点と生物多様性の視点での課題など
・意見交換会:登壇:石井哲也さん・前田和記さん(生活クラブ連合会企画部部長)・井村直樹さん(三重県漁業協同組合連合会常務理事)・石津大輔さん(針江げんき米栽培グループ)・北辻美樹さん(理事長・組合員代表):登壇・進行:石川雅可年さん(専務理事)
・活動報告:環境委員会:規制を求める署名活動報告・GMナタネ自生調査活動報告・対応方針
生活協同組合エスコープ大阪 環境委員会さんからの一文
<はじめに> 日本で遺伝子組み換えの商業流通が1996年に始まって以来、私たちは遺伝子組み換え作物に反対してきました。私たちを含め多くの消費者の反対運動のために、国内でも遺伝子組み換え作物の商業栽培にストップをかけることができていますが、世界的な作付け面積は全耕昨面積の10分の1(1億8,510万ヘクタール:2016年ISAAA報告)と増加し続けています。日本は世界有数の遺伝子組み換え作物の輸入国であることから、日本の消費者は加工食品の原材料となっている遺伝子組み換え作物を知らないうちに大量に食べていると思われます。表示義務があるものの規制の適応範囲が狭いために、食品表示を見て遺伝子組み換え作物を避けることができない現状です。私たちは、消費材において独自のトレーサビリティを駆使し、加工原材料および畜産飼料に至るまで可能な限り遺伝子組み換え作物を使用しない対策をおこなってきました。また知る権利を守るために、遺伝子組み換え作物の食品表示を求める運動を続けています。そんな中、ゲノム編集技術という新しい言葉をメディアなどで耳にするようになりました。遺伝子組み換え技術が運まかせであるのに対して、ゲノム編集技術は標的とする遺伝子を切断したり挿入したりすることで、狙い通りに遺伝子を改変することができます。また特許登録されておらず開発費用が非常に安価で操作も簡単なため、日本国内でも商業ベースでの研究が広がっていて、流通のための届出制度も義務ではなく任意としていることから、いつ、どこで作られ流通しているのか誰にもわからず、知らないうちに食卓にのぼる危険性があります。また、意図しない遺伝子変化による<食料の安全性>や環境に放出された時の遺伝子汚染による<生物多様性の破壊>、巨大企業のよる<種子の独占>などの問題も指摘されています。これまでの遺伝子組み換え作物と同じ問題点です。そして何よりも、遺伝子を人為的に操作すること自体に疑問がぬぐえません。食べたくないと感じる私たちは、「ゲノム編集食品の商業流通に懸念を表明し、生産者とともに対策をすすめるとし、(GMO同様に)消費材の原材料に受け入れないことを基本姿勢とすると決定しました。まだ分からないことの多いゲノム編集については、信頼できる生産者との確かな連携が今後ますます必要になっていきます。本日は、バイオテクノロジーと生命論理に詳しい石井哲也氏の基調講演よりゲノム編集技術の問題点を整理したうえで、私たちの「食べたくない」という選択権を守ることができるのか、生活クラブ連合会職員と生産者を交えて、それぞれのゲノム編集作物に対する考えてと、生産と流通現場での課題と問題点について率直な意見を交換し、今後の方向性を模索したいと思います。
以上
基調講演で遺伝子とゲノムの違いについて説明がありました。遺伝子(Gene)…遺伝子情報の1単位。化学的にはデオキシリボ核酸(DNA)から成り立つ。DNAの塩基(A,T,G,C)の配列が情報を担う。イネの場合、約36,000の遺伝子があり、これら遺伝子を基づきタンパク質が作られ、植物体の形成、機能がもたされる。 ゲノム(Gene+Chrosome)(染色体)…ある生物で最低限必要な遺伝情報の一式(生物の設計図)。イネゲノムのサイズは、12本の染色体にある3.8億のDNA塩基で、約36,000の遺伝子が含まれる。上記内容の理解は難しいものでしたが、結論的に操作の違いだけでほぼ同じもの!!但し、ランダム変異法は規制はない。遺伝子組み換え技術は規制がある。カルタへナ議定書で明記されている環境・生物に対しての配慮(現在だけでなく将来までの安心・安全を全うする事)を考えればゲノム編集に対しての取扱いに疑問を感じました。なぜ日本は遺伝子組換え技術については予防的政策をとってきたが、ゲノム編集技術の塩基欠損や挿入の変異の導入については振興方針で厚労省への届け出も事前の審査は必要なく届け出のみで情報開示が少なく問題点が多いと感じました。また、国の短い時間での政策決定や法案の通し方に強く不信感を抱きました。そして何より驚いた事はゲノム編集は企業より大学側が実験等力を入れている話を聞き、大学や教授の威厳を保つ為や生き残る為の術等だとすると一番大事な本質を見失っていると思いました。最後にこのままでは、ゲノム編集圃場実験を行う場合規制もないので逸散の心配があります。只でさえ遺伝子組み換え作物の逸散が懸念・問題視されているという現状なのに…。タイムラグのあるこの様な問題は直ぐに原因を突き止め問題を解決できないので、自分だけの事でなく将来の生命・環境の事を考えて議論・行動を起こすべきだと考えています。