・6月29日に豆伍心の油の生産者である岡村製油(株)さんに現状使用している油の工場見学と国産菜種油(北海道産)について説明をしていただきにお伺いしました。
今現在豆伍心が使用している指定調達原料使用オーストラリア産 一番搾りなたね油(つい最近まではNon-GMOオーストラリア産 一番搾りなたね油)は為替などの影響を受けやすく価格が高騰しています。国産の菜種油は為替などの影響がない事と
現状使用しておる油がNon-GMOという文言が使えなくなった事、また北海道産の油が契約栽培で作られた菜種を使用している事がわかり興味をもち
お話をしていただきました。
北海道産なたね油について
国産の菜種は昭和36年の27万トンあったのが平成13年には、650トンまで減少していました。
平成23年より国の交付金の対象作物になり、北海道を中心に栽培面積が急増しそれに伴い収穫量も令和元年には4130トンまで増加しております。
国産の菜種が増加した要因は交付金以外にもローテーション作物に加えることでの大豆や小麦の単収増加のメリットや国内開発品種キザキノ種の出現
大規模農家による最先端の農機具による効率UPなどがあげられと聞きました。
全国の菜種油の収穫量は都府県と北海道では平成22年では倍、令和1年には3倍と北海道がほかの都府県を圧倒している。
岡村製油(株)では、北海道産の作付地区(空知地区約545ha、十勝地区約115ha、上川地区約100ha、胆振地区約85ha、石狩地区約45ha)の
空知地区にスポットを当てて契約栽培をしていただいていると聞きました。
また、空知地区だけでは不作などに原料を仕入れることができないため、十勝地区にも契約栽培を増やす計画を進めているそうです。
キザキノ種(播種)~出荷、搾油までの流れ
8月末~9月初旬(播種)⇒11月~翌年3月(積雪下で越冬)⇒5月下旬(開花)⇒7月末~8月初旬(収穫)⇒8月~9月調整選別⇒9月以降出荷
岡村製油(株)に入って搾油する時期は10月~11月に行われる。
国産の搾油は約1か月間で終了。400~500トンの菜種から約160トンの油が取れる
1番絞りの油はその中の80トンしか取れない。もし豆伍心が国産の1番絞りを使用する事になったら年間40トン使用することになる。
今後の展望は5年後には国産の菜種を1000トンまで比率を上げる目標があると答えてくれました。
岡村製油(株)では年間6000トンの菜種を搾油しており、そのうちの400~500トンが国産で残りがオーストラリア産菜種を搾油している
上記内容を聞いた後、オーストラリア産の1番絞り菜種油製造工程図を用いて作業場を見学させていただきました。
岡村製油(株)さんの主力が綿実油なので大きなコンテナからブルドーザーで少し綿の付いた原料を下ろしているところを見せていただきました。
菜種もコンテナから下ろしている所を見せていただくと摩擦がない分菜種はコンテナを斜めにするだけで落ちるため綿実油の方が手間がかかっていると感じました。
①原料⇒②精選⇒③圧ペン⇒④クッキング⇒⑤圧搾⇒⑥圧搾原油⇒⑦酸コンディショニング⇒⑧水洗い⇒⑨脱色⇒⑩濾布濾過⇒⑪仕上げ濾過⇒⑫脱色油⇒⑬脱臭⇒⑭仕上げ濾過
⇒⑮製品タンク⇒⑯200メッシュフィルター⇒⑰充填⇒⑱出荷
上記の数字は菜種の1番絞りの製造工程の順番ですが、見れるところと見れないところがありましたが製造現場を順に見学させていただきました。
②の精選では、ゴミと菜種を分け異物を取り除きます。ゴミは20トンのコンテナで来るため鞘や石ころなどが多いと聞きました。たまにかなり大きなゴミも入っているようです
④のクッキングでは蒸気加熱し菜種をふやかします
⑤の圧搾は現場を見せていただきました。残りかすにもまだ油が残っておりこれにノルマルヘキサンを加えて残りの油を抽出するのが通常の油だと聞きました
ノルマルヘキサンは可燃性で気化しやすく危険なため限られた人しかその現場には入ることが許されていませんでした。
⑨では活性白土(ガレオンアース)火山灰みたいなものを使用し脱色します。
活性白土は使用前は白いようですが脱色を終えたものを見せていただきましたがこげ茶色に変色していました。
⑮の製品タンクでは窒素を入れて酸素を入れないようにして酸化を防いでいるようです。
それ以外の工程はタンクの中や機械の中であったりして、様子をうかがうことはできませんでした。
手順に沿って見学させていただきましたがかなり蒸し暑く機械の音も大きく歩いて説明を聞くだけでも大量の汗を掻きました
少しだけでも現場の作業員の方の苦労がわかったように思います。
北海道産の菜種についての説明、工場の見学を終えて
今回の工場見学は私が油担当者になりカネダ株式会社(油の商社)の横井さんが営業に来られたことから始まりました。
私自身油の勉強はするものの、油の製造現場を実際には見たことがなくお願いして実現に至りました。
また、横井さんには岡村製油(株)さんが国産の菜種を契約栽培されていると聞き興味をもち説明をしていただいた次第です。
今回お伺いして岡村製油(株)さんが菜種の国産自給率を上げようとしている取り組み、フードマイレージの低減など
これからの岡村製油(株)さんに期待して微力ながら応援させていただきたいと思いました。
最後に今回工場見学、北海道産の菜種についてご説明頂いた岡村製油(株)の金谷さん、カネダ株式会社の横井さんには
大変お世話になりました。
今後は、豆伍心で北海道産契約栽培の油を使用していけるよう尽力させていただきます。
(奥原大樹)