・2019年8月20日、21日に静岡県静岡市にてBMW技術協会が主催する第19回BMW技術基礎セミナーに参加してきました。今回の基礎セミナーのテーマは「家族農業の10年」について考えると題して内容は基調講演『国連「家族農業の10年」と持続可能な食と農』講師:愛知学院大学経済学部准教授 関根 佳恵さん、アジアの現場からの報告「香港の農民からの問いかけ」講師:武蔵大学 教授 安藤 丈将さん、同じくアジアの現場からの報告「フィリピン・ネグロス島より」報告:特定非営利活動法人APLA 寺田 俊さんの3名で講演、報告が行われました。関根さんの講演では大規模企業的農業により生産性、効率性を求めることによって持続可能でない社会になってきていて土があと60年で無くなってしまうと言われていることが私には土が無くなることなんか想像もできないので衝撃的でした。安藤さんの講演では上海での高速鉄道反対運動に参加した都市部に住む農業をしたことがない人たちが反対運動の中で農に興味を抱いて農業を始めたことにより香港で農が流行したことや資本主義経済、個人レベルでは競争主義的な中でそれとは違って農は食料を作る手段ではなく、もう一つの文化を創る手段であり、それが人と人を繋ぐという話がとても印象的でした。寺田さんからの報告はネグロスの歴史、カネシゲファーム・ルーラルキャンパスで学ぶ現地の研修生の話では以前に私がカネシゲファームに訪問した時のことを思い出し、11月にネグロスで行われる第5回アジアBMW技術交流会でまた会えるのが楽しみになりました。 その後は恒例のBMファーマーズカフェにて参加者で意見交換を行いました。全員で講演の感想やこれからの農業についての想いなど様々な意見があり予定時間を30分過ぎて1日目が終了しました。
2日目は無農薬、無化学肥料の有機栽培でお茶を栽培している村上園と伊豆川飼料の視察を行いました。村上園ではお茶の栽培から自社工場で精製、販売まで一貫して自社で行っています。標高300mの山岳地帯にある村上園の圃場の土はふかふかして柔らかく、代表の村上倫久さんの土づくりに対してのこだわりを感じました。活性水は葉面散布で5~6回ほど散布していて虫が付きにくくなるようで本当は10回くらい散布したいらしいですが圃場から精製まで1人でされているのでなかなか難しいようです。当日は静岡でも大阪と同じくらい暑かったのですがその中で飲む村上園の冷たいお茶は最高でした!!ごちそうさまです。今回も村上さんのお茶栽培へのこだわりに良い刺激を受け、アジアBMW技術交流会が楽しみになったセミナーでした。ありがとうございました。(小西歩)