・2019年6月19日石川県珠洲市にある㈱珠洲製塩に訪問&交流を行いました。㈱珠洲製塩は弊社の豆腐・揚げ製造の主原料となっているにがりを昔ながらの伝統技法で造っている塩屋さんです。今年も山岸社長(今年で83歳、今も現役です!!)に案内して頂きました。今回は弊社に入社して1年未満の新人も連れて行き、研修も兼ねて改めて塩とにがりづくりの工程と珠洲製塩の現状についてお伺いしてきました。珠洲製塩では「揚げ浜式製法」と「流下式製法」で塩の製造を行っています。今回は「揚げ浜式製法」で塩田に海水を撒く作業を体験させて頂きました。打桶(おちょけ)と呼ばれる道具を用いて海水を撒くのですが均等に撒かないと塩のできる量にも影響してくるそうで本物の塩づくりの難しさを少しは経験できたのかなと感じました。その後、かん水(塩田で出来た濃い海水)を釜で炊いていきます。釜の周りに白い固形物があるのですがこれは石膏です。最初の粗炊きの工程で出てくるもので石膏は塩づくりにはいらない物ですが粗炊きでかん水の海水濃度を25%以上にしてしまうと塩が結晶化して石膏とくっ付いてしまうので炊きすぎると美味しい塩は造れません。塩を結晶化させずに不純物を分離させることが粗炊きの工程で比重計を用いて海水濃度もチェックできるのですが山岸さんは経験でどのタイミングで火を止めたらいいのか把握できるとのことです。
珠洲製塩では現在、従業員は8人でその中で塩田、釜の作業に携わるのは山岸社長を含め3人です。珠洲製塩のにがりは弊社の他に山梨県にあるパン屋さんや近隣の豆腐屋さんでも使われていて、どちらも特製にがりを使っています。特製にがりは1度できたにがりをまた煮詰めたミネラルが豊富なにがりで弊社もこのにがりを使用しています。山岸さんは話の最後に塩づくりはつくる人間の人柄、心が塩のうまさに繋がると話されていました。私たちも同じものづくりに携わる身として山岸さんの話に共感し、これからも山岸社長の熱い想いをしっかりと受け止めて珠洲製塩が誇るにがりを使用した豆伍心の誇る豆腐、揚げの製造をこれからも続けていきますので今後もよろしくお願いいたします。(小西歩)